現場創新│中小企業の生産ライン改善ガイド

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現場創新│中小企業の生産ライン改善ガイド > 生産ライン改善にまつわる基礎知識 > 生産ラインを自動化するメリット・デメリット
目次
川崎氏

川崎氏

生産技術のプロ
【解説者】
中小企業の現場視点をもった
生産ライン改善の
プロフェッショナル

中小企業の製造現場を知り尽くす『TMNホールディングス』に所属。
現場目線で課題を捉え、実践的な改善提案を行うプロフェッショナル。

生産ラインを自動化すると、生産効率の向上や人件費の削減に繋がります。一方で導入コストが課題となるため、自動化する際は設備資金の確保が必要です。

ここでは、生産ラインを自動化するメリットやデメリットのほか、生産方式の種類を解説します。

生産ラインを自動化する
メリット

生産ラインの「4M」に
関するメリット

製造効率および生産品の品質を大きく作用する「4M」と呼ばれる四つのファクターとは、次のような内容になります。

  1. Man:作業員を要因とするファクター
  2. Machine:機械設備を要因とするファクター
  3. Material:原材料を要因とするファクター
  4. Method:作業方法を要因とするファクター

「Man」以外の3つのファクターに関連するリスクを軽減できる、という点がメリットとして挙げられます。
具体的には「生産ライン全体の生産効率を高める」「製造品の品質を安定させる」「人件費を削減できる」といった事例が挙げられます。

生産ラインの自動化による効果

リスクヘッジ以外に得られる生産ラインを自動化するメリットが次の2つです。

  • 365日24時間休みなく生産ラインを稼働させることが出来るようになる
  • 生産ラインで何かトラブルが起きた場合に、原因の特定が容易になる

リスク対策と工数削減に、自動化は欠かせない考え方です。

生産ラインを自動化する
デメリット

イメージ

導入コストがかかる

生産ラインに必要なロボットの購入および設置のために、多額の費用が必要になることはもちろんですが、ロボットを操作する技術者の育成・雇用や、既存の設備との連携のためにかかる費用も決して無視できるものではありません。

故障時のリスクが高くなる

また、ロボットが故障した際のリスクが大きくなる、という点も、生産ラインの自動化に伴う大きなデメリットの一つです。一部のロボットが故障すると生産ライン全体が一時的にストップしてしまう恐れも。故障したライン以外を単独で稼働できるシステムを整えないと、修繕されるまで全ラインが使用不能になります。

万が一のロボットの故障に備えて、機械の故障をすぐに察知できるようなレイアウトを工夫し、速やかに修理できる対策が必須です。

段階的に進めることで、
成果と安全性を両立させる

川崎氏
川崎氏
生産技術の
プロ

生産ラインの自動化や改善では、「スモールスタート」と「段階的な導入」が重要です。現場の実態に合った改善を進めていくことでリスクを抑えつつ着実な効果が期待できます。 生産性や品質安定化、コスト削減、作業環境の改善、多品種対応や人材育成の安定など多くの利点がある一方で、初期投資や柔軟性の低下、故障時対応などの課題も伴います。
だからこそ、段階的な導入が現実的かつ効果的なのです。

ライン生産方式の種類

生産ラインは、大きく分けて「ライン生産方式」「セル生産方式」2つの種類があります。

ライン生産方式

ライン生産方式は、コンベアに沿って原材料や部品を流し、1つの製品を組み上げる生産方式をいいます。生産ラインの途中には各工程を行う機械と作業員が配置されており、流れ作業で製品を組み立てていきます。

部品を数点取り付けるなど単純作業が多いため、作業員の負担も大きくありません。生産量も調整しやすいことから、需要に合わせた製品の生産が可能です。

一方で生産ラインの変更が難しく、異なる製品を組み立てる際は再構築する必要があります。同一製品を長期間・大量に生産したい工場向けです。

セル生産方式

セル生産方式は、作業員が複数の工程を行う生産方式をいいます。L字やU字型のライン(セル)に部品や工程を配置し、1人〜複数人で1つの製品を組み上げていきます。

セル生産方式は1人で複数の作業を行うため、多品種少量生産に適した生産方式です。途中で生産品目が代わった場合でも柔軟に対応できるほか、顧客ごとに異なる仕様の製品を作ることもできます。

ライン生産方式と比べて作業員の人数を少なくできますが、育成には時間がかかります。セル生産方式を導入する際は、人材育成コストも考慮する必要があります。

ライン生産方式と
セル生産方式の違い

ライン生産方式とセル生産方式は、製品を製造する流れが大きく変わります。ライン生産方式は、ラインに沿って少しずつ製品を組み上げていきます。一方のセル生産方式は、作業員をL字・U字のラインに配置し、それぞれのラインで製品を作ります。

作業員の作業範囲も異なります。ライン生産方式は1人1工程が基本で、決められた作業を淡々とこなします。セル生産方式は1人で複数の工程を担います。作業員は、製品の組立状況によって適切な作業を行います。

ライン生産方式のメリット

少品種かつ大量生産に
適している

ライン生産方式は、少品種で大量生産が求められる工場に適しています。一度生産ラインのレイアウトを構築すれば、各工程の連続的な運用が可能です。生産ラインを止める必要がないため、一度に大量の製品を製造できます。

生産効率が高い

生産ライン全体を一体的に運用できるため、機械やコンベアのスピードを速めることで単位時間あたりの生産量が増加。作業員の教育や、定期的な作業工程の見直しなどを行えば、さらに生産性を高めることも可能です。さらに、繁忙期などで一時的に需要が増えた時でも柔軟に対応できます。

工程を自動化しやすい

ライン生産方式は少品種大量生産が可能なため、機械による自動化・省力化も難しくありません。実際にライン生産方式を取り入れている工場では、各工程の大部分を完全自動化しているケースもあるでしょう。自動化すれば作業を単純化できるため、作業員の負担も軽減できます。

作業員のスキル・
経験が問われにくい

ライン生産方式は簡単な作業が多いため、作業員には短期間の研修や教育を行うのみで済みます。作業範囲も限定されるため、マルチタスク・スキル化は必要ない点がメリット。人材教育にかかる時間が短くて済むことから、人材の育成コストも削減できます。

ライン生産方式の
デメリット

作業員の人数確保が必要

ライン生産方式は各工程が細分化されているため、作業員の人数確保が求められます。人手不足気味の場合、新たに作業員を雇用するか、一部工程の完全自動化も検討が必要です。

人材配置の適正化でも対応できますが、作業員が少ないと欠勤や休職・退職などが生じた時に生産効率が低下するおそれがあります。

作業が単純でモチベーションが下がりやすい

ライン生産方式は単純作業となり作業員がスキルアップ・キャリアアップできる機会が限られるため、離職率が高くなる可能性も否定できません。

離職を防ぐには、勤続年数に合わせた賃上げやスキルアップできる機会の提供、キャリアパスの多様化など、作業員が働きやすい環境整備が求められます。

多品種少量生産が難しい

ライン生産方式は同一製品を大量生産することで効率を高めるため、多品種少量生産に向きません。顧客ごとに仕様を変更したり、小ロットの受注に対応したりする場合は、かえって生産コストが高くなるおそれがあります。
多品種少量生産に対応させたい時は、細かい運用が可能なセル生産方式が適しているでしょう。

導入コストが高額になる

ライン生産方式は人材確保が必要なため、導入コストが高くなる傾向にあります。コンベアや作業用の機械も必要なため、設備資金は多めに確保することが大切です。ライン生産方式を選ぶ際は投資回収計画を立て、設備投資の採算性を評価しましょう。

セル生産方式のメリット

多品種少量生産が可能

セル生産方式は多品種少量生産に適しています。ライン生産方式は大量生産を前提としているため、多品種対応や小ロットの生産が難しいのが実情です。

さまざまな製品を取り扱う工場や、小ロットから注文を受け付けている工場では、柔軟に運用できるセル生産方式が向いています。

セル単位で生産量・品目を調整できる

セル生産方式は、その時の状況に応じて生産量を調整可能です。セル単位でバランスを取れるため、必要な時に必要な量だけ生産することができます。また、普段と異なる製品の注文が入った場合でも生産品目を変更可能です。ライン生産方式とは違い、柔軟に運用できることがセル生産方式のメリットといえます。

作業員のスキルアップに
繋がりやすい

作業員は1人で複数の工程を担当するため、さまざまなスキルを磨けることがメリット。経験を積み、高度な加工技術を身につけることも。マルチタスクに対応できる人材は重宝されるため、作業員のキャリアにもよい影響が及びます。

仕掛品の滞留が少ない

1つのラインで製品を製造するライン生産方式は、工程間で仕掛品が滞留するケースが多々見られます。しかしセル生産方式は各セルで完結しますので、仕掛品の滞留を抑えられます。仕掛品の滞留が減ることで在庫管理の手間が軽減され、製造コスト削減に繋がります。

セル生産方式のデメリット

作業員の育成に
時間がかかる

セル生産方式は作業員が1人で複数の工程を担当するため、ライン生産方式と比較して育成に時間がかかります。生産品目によって作業手順が変わるので、生産品目ごとに育成する必要があります。作業員の入れ替わりが激しい工場の場合、育成コストが膨らむセル生産方式は不向きでしょう。

作業員の負担が大きい

1人で複数の工程をこなすセル生産方式は、作業員の負担も大きくなる傾向があります。作業が多岐にわたるため、作業員によっては特定の工程に苦手意識を持つ可能性もあるでしょう。
セル生産方式はマニュアル化が難しく、作業員の技術・経験に大きく依存することも。工程によっては属人化し、業務効率化の妨げとなるリスクがあります。

機械による自動化が難しい

セル生産方式は生産品目によって工程が変わるため、自動化させるには多数の設備を導入する必要があります。また、特定の工程の自動化に成功しても、生産品目が変わると対応できない場合があります。生産品目・工程ごとに自動化の可否を検討し、状況に応じて取捨選択することが大切です。

生産性・品質が作業員に
左右される

セル生産方式の場合、生産性や製品の品質が作業員の技量に左右されます。
作業員の習熟度によってバラツキが生じるため、生産性や品質改善が課題となる恐れもあります。

『現場創新』編集チームより
プロへの相談で
生産ライン自動化を成功に導く

生産ライン自動化で失敗しないためには、製造現場の改善を得意とするプロへの相談が近道。自動化はコスト削減や生産効率化に寄与する一方、適切な生産ラインのレイアウトや自動化の手法は工場によって異なるため、ノウハウ豊富なプロのサポートを受けることが重要です。

本メディアを監修する「TMNホールディングス」は、中小製造業の生産ライン改善を得意とするプロフェッショナル。工場診断で生産ラインのレイアウトや、導入すべき設備のアドバイスを提供します。

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※画像引用元:TMNホールディングスHP(https://www.tmnet.co.jp/)

TMNホールディングスは、中小企業の製造現場を熟知したプロ集団。これまでに緊急対応17,280件、預かり検査1,440件という豊富な実績を積み重ねており(※2025年5月7日時点)、現場のリアルな課題に即した提案が可能です。
生産ラインの課題洗い出しから改善アドバイスまでを一気通貫で支援し、24時間・365日対応の緊急サービスも展開。現場に根ざした実践的な支援で、製造業の生産性と品質向上に貢献しています。

     
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工場診断とは、製造現場の設備や生産・品質管理手法を分析し、課題や改善点を明確にするための診断。
工場の改善点が可視化されるだけでなく、競合他社との違いや自社の水準を比較することも可能です。
工場診断の結果を元に課題解決へ取り組めば、生産性の向上やコスト削減にも繋がるでしょう。

このメディアについて

当メディア「現場創新」は、中小企業の生産ライン改善を得意とする「TMNホールディングス株式会社」監修のもと、中小企業に向けて自社の生産ラインを改善するためのノウハウやヒントを提供するため、Zenken株式会社が運営しています。

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